中国の大学から届いた学生と先生の声

「大学用・日本語教材【日本】」(上・下) 1997年~1998年 約110大学に、約2万6千冊寄贈

内容= 上巻(387頁)・「日本の姿」、「四季(上)」、「日本経済」、「文化(上)」、「教育」、「文学」、「行動様式と生活習慣」、「日本語」、「新聞を読む(朝日新聞の社説)」「自然」など
下巻(460頁)・「日本の歴史」、「四季(下)」、「政治」、「経済」、「教育」、「『白書』で見る日本」、「社会保障・医療・福祉」、「文学」など
(ルビ付。曲維教授(遼寧師範大学・大連市)の「注釈」、「質問」付)

『中国の日本語教師』

劉銀良(内蒙古大学。内蒙古自治区呼和浩特市)
 ~中国の日本語教育の空白を埋める教材~

 【日本】(下)が156冊も届きました。日本語を学ぶ学生にとって、言語の背景にある文化・社会に関する知識を深めることが大切です。しかし、残念ながら総合的に日本の広い文化、社会的背景を紹介した本はありません。【日本】(上、下)は中国における日本語教育の空白を埋める教材として、大きな意義を持っています。本学では、授業の中で日本理解の教材として本書を活用させて頂きます。学生が日本を理解し、中日友好のために頑張ろうとする力が湧いてくると思います。

王健宜(南開大学。天津市) ~「文化理解」に貢献する教材~
 【日本】の内容は、歴史から和食まで、そして、政治や経済の今の日本の動きまで実に豊富で、語学だけでなく、日本、日本人への理解を深めることができます。中国の日本語教育は、「語学訓練型」から「文化理解型」へ転換していくことが大きな課題ですが、【日本】はそれに貢献する大変有意義な教材です。

劉潤徳(河南師範大学。河南省新郷市) ~日本語の授業が豊かになります~
 中日両国人民の相互理解は言葉としては簡単ですが、実行は至難なことです。中日両国の間にまだ相互不理解と誤解がたくさんあります。【日本】というテキストは、中国の若い世代の日本理解に大いに役立つと思います。日本の自然から歴史、政治、文学から和食のことまで、本当にいろいろなことについて、詳しく、そして、易しい文章で解説してあります。学生には「一番新しい日本事情の本」で、教師たちは「日本語の授業が豊かになる」と大喜びです。

邱剣英(長春大学。吉林省長春市) ~誤解を少なくする教材~
 日中関係は飛躍的に発展したにもかかわらず、イデオロギーの誤解、種々さまざまな行き違いなどで問題が深刻化する感さえあります。これらの問題は理解不足に起因するものが多く、無理解による誤解も少なからずあると思います。中国の大学の日本語教師が一番頭を痛めているのが、日本のあらゆる角度から理解することができる日本語の教材がないことです。学生は、特に、日本の文化のことや社会のことや風俗習慣のことや、いっぱい知りたいと思っていますが、教材が少ないです。日本へ行った教師は少ないし、自信をもって日本のことを教えることが難しいのです。教師は自分で資料を集めて授業をしますが、まとまった資料がありません。特に、今の日本の情報が少ないです。寄贈して頂いた【日本】は、まさしくよいタイミングで作られた絶好の教材です。上巻と下巻を合わせると、850頁もある大きな教材の中に、日本の歴史、国土、四季、文化、文学、政治、経済、和食などの情報がいっぱい詰まっています。誤解を少なくし、諸方面にわたる相互理解を深めてこそ、制度を超えて二十一世紀の中日関係を築くことが出来ると信じております。

閻麗艶(瀋陽師範学院。遼寧省瀋陽市)
 ~日本へ行かなくても、詳しく知ることができる~

 日本へあまり行けない中国の人の教師と学生にとっては、【日本】は、日本へ行かなくても、日本の四季、憲法、経済、文化、教育などを詳しく知ることができます。

秦明吾(北京第二外国語学院。北京市)
 ~日本の知識を広げる~

 【日本】(上)を頂きまして、教師・学生ともに拝読・勉強させて頂いております。日本の歴史や文化、政治、経済、社会、教育などの面について、いろいろ知ることできるようになり、非常に喜んでおります。また、【日本】の下巻を468冊も頂きました。合わせて、日本についての知識を広げるのには大いに役立ちます。

『中国の学生』

建贊贊(河南大学。河南省開封市)
 ~日本に関心を持って、考えるようになった~

 大学に入って日本語を勉強するまで、日本について考えたこともあまりなかった。最初は、文法のことで精一杯だった。文法の枠から出て、日本の出来事などに関心を持って、少し考えるようになったのは、国際交流研究所が「大学用日本語教材【日本】(上、下)」を私の大学に寄贈してくれた時だ。辞書を調べながら、少しずつ言葉を覚えた。読んでいくと、楽しくなってきた。独特の趣のある季節の移り変わりと、さまざまな「年中行事」、由来が同じでも中国と日本で微妙に違いのある「慣用句」や「熟語」など、どれも興味深かった。