中国の大学から届いた学生と先生の声

第一回・中国の大学生、院生『日本語作文コンクール』 1993年 応募総数・約450編 テーマ=「二十一世紀の日本と中国の役割」

仲の良い兄弟姉妹のように以心伝心で

高 媛(吉林大学・吉林省長春市) <一等賞>

 僕はユウユウだ。東京の上野動物園に住むパンダの家族の一員だ。人間がわが家族に名付けてくれたこの「友好のシンボル」というのは一体何だろう。僕たちはただ大自然の中で人間と同じように生きている一動物にすぎない。僕たちの社会では、友好とか、親善とかはみんな口で言い合うものではない。友好しようという気持ちさえあれば、口に出さなくても、表情や行動などで心を伝えることが出来る。その点が人間とは違うのだね。
 わが家族が中日友好のシンボルになって早くも二十年の歳月が経った今、中日友好の道がまだまだ遠いものだとつくづく感じさせられた。人間性というのは、国境や民族などを超える人間の基本的な感情だから、人間性を豊かにするには真の理解や文化の交流などいわゆる「草の根の交流」がどうしても必要なのだ。中日両国はお互いに偏見や誤解をきれいに捨てて、もっと包容し合い、理解し合い、手を携えて、一緒に人間性豊かな二十一世紀を目指すように頑張っていったらと僕は心から願っている。二十一世紀の中国と日本が仲の良い兄弟姉妹のように以心伝心で交流できるようになれば、もうシンボルというようなものも要らない。僕もその時ひさしぶりに四川省の山に帰って、思いきりコロコロ転がったり、楽しい夢を見たり、静かな老後生活が送られるだろう。楽しみだ!

永久の敵はいない

丘飛迅(河南師範大学・河南省新郷市)

 二千年来の友好往来、近代における恐ろしい戦争、国交正常化以来の活発な交流。中日両国は、友好―対立―友好という道をたどってきた。巨大な災難をもたらしたあの恐ろしい戦争を経て、お互いに対立する長くて暗い時代を経た両国は、もう二度とああいう戦争、ああいう時代を経験したくない。私たちは大きな代償を払って、対立することは双方に損ばかりもたらし、協力することは両国の発展になると悟ったからだ。
 中国と日本は国を発展させ、人民生活を豊かにするという共通の利益のために近寄り、協力し、平和、友好の道を歩んでいくのは二十一世紀の中日関係の主流である。だが、両国は自国の利益のために多少摩擦を起こすこともある。その時も、共同の利益を重んじて、相互に譲歩して、摩擦をすばやく解消し、両国はいつまでも平和と友好であることを願っている。「永久の敵はいないが、永久の友達がいる」と私は信じている。